○○の日記

株式会社MYスタイルホーム社長 横山 正明の多事争論

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社 長 の 徒 然 草


今の世の中を建設技術者の視点から考える

株式会社MYスタイルホーム 代表取締役 横山 正明です。
このページまでご覧頂きありがとうございます。
ここでは、建設技術者の視点から、世の中で起きている事に対する私的疑問、今の最新の技術に対する考察、その他当社のお得情報等を発信していきたいと思います。業務に直接関係のない内容が中心ですので、気楽にご覧になって下さい。

初めまして!このページで自分の顔を採用するのは初めてですね。
私、こんな顔をしています(笑)
息子に不意に撮られた一枚をここで使用するとは思いませんでした(笑)
改めまして、一級建築士 横山 正明 です。
おこがましくも社長を勤めさせて頂いております。
まぁ社員がまだ居りませんので平社員、総務、経理全て兼任ですけど(笑)
私の経歴については会社ホームページ会社沿革からご覧下さい。
このページでは少し仕事から離れて、私が個人として感じた事、疑問に思う事などを記事にしていきたいと思います。

生年月日:昭和49年4月18日
血液型:A型
性格:人なつっこい・職人気質・熱い・責任感は強い方・仕事に対する妥協は大嫌い!・時折優柔不断・来る物は拒まず、去る者は追わず。
座右の銘:「一期一会」
趣味:バイク、子育て、たまに料理、工作

第五回目 2019年2月8日 【目覚めよ!日本人達 〜レオパレス問題に学ぶ〜】
 大変ご無沙汰致しました。
 一級建築士 横山です。
 近頃、世間をレオパレス21が騒がせております。
 事の発端は、同建物に住む男性が、天井裏を伝って、隣人女性宅のユニットバスの天井裏から、女性の入浴を覗き込んだと言う事件でした。
 私も男性なのでその衝動に駆られることは正直あります(笑)。でも本当に実行することは、当然宜しくなく遺憾な事であります。仮に自分の娘がその様な目に遭ったならば、間違いなく激怒するでしょう(笑)
 さて本題に戻り、この話を聞いて「え?」アパートって天井裏から隣人が入ってくるの?って心配になった方も多くいらっしゃると思います。
 いえいえ、安心して下さい。通常、アパート、マンションなどの集合住宅、共同住宅には「界壁」と呼ばれる天井裏の壁が、隣接住戸と繋がらず、プライバシーを確保する為に必ず設けられています。
 この「界壁」には、建築基準法で定められた細かい構造が定められています。「界壁」とは建築基準法 第三十条「小屋裏(屋根下面)または天井裏(上階の床構造下面)に達するものとするほか、その構造を遮音性能(隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を、衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの、又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。」
 法令文章なので、大変に難しい文章ですが、要するに各住戸ごとに、プライバシーが適切に守られるようにしなさい。と言うことです。
 では、何故レオパレス21にはこの界壁がなかったのでしょう?
 理由は単純明快で簡単です。建築費用が安く抑えられるからです。そして、オーナーに対して高い利回りが期待できる旨を説明し、契約を取りやすくするためだったと思われます。
 これは、全ての建物ではなく一部(どの程度の一部なのかは曖昧)と説明されているので、バブル経済が弾けて、世の中の景気が悪くなってきて、地価が下がりきった頃からなされていたのではないかと思います。
 日本は、かつてのバブル景気の頃とは全く違う状況となりました。高級品思考で高いものに価値があった時代から、とにかく安いものを求める時代へと変貌していきました。
 そのあおりが、建設業界にも否応なしに到達し、元々高額な買い物となる住居はより人々の目にとまり、ついには法という壁まで突き破って、過剰に安価にすることを求められるようになったと言うことなのです。
 これは、ヒューザーというデベロッパー(分譲販売会社)の圧力によって、姉歯元建築士による構造強度偽装問題、東日本大震災によるCOSTCO町田店による車路スロープ構造偽装落下死亡事故、今回のレオパレス21問題と、顕著に表れてきています。
 これらは、建設業者の責任として問題を取り上げられることが多いですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
 そもそも建設業者は、設計は行いません。設計とは建築主の依頼によって、設計事務所が行うものです。
 建設業者は、建築主が依頼した設計会社の設計図に基づいて、多くの場合、競争入札でその建設工事を受注します。そして手渡された設計図の通りに施工することを求められます。
 一般的に、設計費用とは大凡、建設費用の2%〜5%で推移しています。この設計段階で、建築主からは、機能最低限で、見た目を重視し、入居率に影響を与える外見と内装にばかり注目します。見た目を良くすると言うことは、それなりにお金が掛かることなので、その代償として、目に付きにくい構造部材、端折っても見た目には影響のない部材の削除に走り、費用対効果ばかりを気にして、安価化を求めるようになります。
 集合住宅、マンションの入居率を上げ、より高い収益をあげる事だけに注目する、オーナーや、マンション分譲販売会社、建売住宅分譲販売会社は、建設費用の見積り書を見たときに、こんなに高いのかと言うはずです。そしてもっと安くする方法はないのか?と。
 例えば、自分で住むための戸建の注文住宅の場合に、「見た目重視で耐震性なんてどうでも良い」という人がどれだけ居るでしょうか?「すぐに腐っても良いから安い木材で家を作ってくれ」という建築主が居るでしょうか?
 家族の安全と、快適性を考えて作られる注文住宅にその様な事を言う人は、ごく少数派ではないでしょうか。逆に、中国や北朝鮮の動向が不安定で、南海トラフ巨大地震の発生確率が30年以内で80%とも言われる現代社会では、逆に核シェルター位の強度を持つ家が欲しいと考える方々も居るくらいでは無いでしょうか。
 建売住宅と注文住宅では、その中身に大きな違いが出てくることはこれらの説明でお分かり頂けたと思います。
 自分の命に関わらない販売、利益目的の建物、マンション、住宅では発想が逆なのです。
 現代社会は、個人消費が落ち、現在活性化しているのはオリンピックに向けて、既存の古いマンションを購入し、見た目だけデザイナーズマンションのような内装にし、付加価値を付けて高く売るリノベーション分野で、その発注者は殆ど、マンション分譲会社であったり、リノベ屋と言われる投資家たちです。
 建設業界は超高齢化がすすみ、団塊世代が定年を迎え、リフォームにすらお金を掛けなくなってきている中で生き残るため、それらの分譲販売会社や、リノベ屋の下に入り、安い建設費用で受注をせざるを得ない状況が、もう10年以上続いています。
 その結果が、今回話題に上げさせて頂いた、レオパレス問題に繋がったと言うことだけご理解頂ければ幸いです。
 これで今回のコラムを終わります。ありがとうございました。

第四回目 2017年8月23日【日本人の労働者】
 皆様ご無沙汰しまして申し訳ありません。久しぶりに記事を書こうと思います。
 今回は日本人の労働者についてです。

 皆さんは上の写真を見てどの様な印象を持ちますか?作業着を着て、茶髪で、治安の悪そうな人たちだと思うでしょうか?
 確かに建設作業員は休憩時間に道ばたでタバコを吹かし、座り込んでいたり、一見すると怖そうで、付き合いにくいイメージがあるかも知れません。でも、それは大きな誤解です。
 今彼らは、彼らが何をしているか目視できない、屋外に設置されたレッカークレーンのオペレーターさんと無線で連絡を取り合いながら、お互いに合図とコミュニケーションを取合いながら、自分の命をかけて鉄骨の梁を結合している最中です。この様に建設現場に従事すると言うことは、必然とコミュニケーション能力を育てられるという、現代に欠けている能力を身につけられる場所でもあるのです。
 彼らは、師弟関係の中で絶対的な人と人との信頼関係を身につけていきます。そして高いコミュニケーション能力で、現場のあらゆる職人さん達と時には協力し、時には意見交換をし、自分の技術力を磨いていきます。クレーンのオペレーターは見えないところから無線で指示される「あと5mm上」とか「2cm奥」と言った指示に、運転操作で的確に応えます。
 写真の作業員さん達は、転落をすればそれは大けが又は落命を意味します。クレーンのオペレーターが操作を誤れば作業員は指や腕を失うことになります。もし皆さんがこの様な作業を行う場合、常に転落の恐怖と戦いながら、身体は常に筋肉が硬直して、落下しないように踏ん張って居なくてはならないでしょう。翌日には恐ろしい程の筋肉痛が全身を襲います。
 今のご時世の若者は、システムエンジニア(SE)、プログラマー、コンピューターグラフィック、ユーチューバ-等、身体を動かさずに卓上ででき、他の人とコミュニケーションを殆ど取らなくてもできる仕事を好む傾向が強くあります。ただ、その様な仕事が悪いと言っている訳ではありません。ただ、日本の建設現場を支えていくのにも若者達の屈強な肉体が必要なのです。
 建設現場でコミュニケーションを取らないとどのような事が起こるでしょうか?
 それは人身労働災害です。
 その為、親方は部下や弟子に怪我を絶対にさせないように、大変厳しく現場の作業の流れ、方法、コツ等を教え込んでいきます。親方にとって弟子や部下は家族と同じ存在です。長年培ってきた技術力を持った弟子が怪我をして明日から現場に来られなくなった場合、変わりの人材を得るのに数年単位の時間が必要になります。
 今の世の中、農家、工業、建設現場など重労働が予想される現場には若年層が大変不足しています。
 これは、技術力の継承ができない親方が沢山居ると言うことです。
 日本政府は、今その若手不足を海外の人材を日本国内に取り入れる方向で改善しようとしています。
 それは、日本の将来にとって本当に良いことなのでしょうか?私は一時的なことを述べているのではありませんし、人種差別主義者でもありません。ですが、その先もし、再び日本の人口が増えてくる時が来たときに、今の空き家問題、新たな住まいの構築は誰が担うのでしょう?
 日本は今、大変オシャレで、綺麗で、優雅な事ばかりが良いこととされるようになってしまい、汗臭い事や、泥にまみれて頑張って働く人の事を、低俗な力馬鹿がやることのように馬鹿にする風潮が強くなってしまいました。
 なので、証券会社、銀行マン、官僚、公務員、コンピューターソフトやアプリ開発、ネットショッピング関連会社、ファッション関係、モデル、タレント、医者等、日本の世の中でちやほやされる人間の職業は、どれをとっても泥にまみれて、汗臭くなるような仕事は含まれていません。
 たまにテレビ業界に建築関係者が出るとすれば、大震災を含む大規模災害が発生したとき、ファッション性の高いデザイナーズ住宅がトレンドとして取り上げられるときだけに限られているのです。また、工業に関しても目新しいロボット技術など世界にオシャレと思わせられる要素が含まれていなければ光を浴びることはありません。
 では、その会社の社屋をデザイナーが造ったいい加減な建築基準法も考えていない案を、実際に建築基準法に適合した形で、まとめ上げ、そしてその技術者が書いた設計図通りに建物を構築していくコンクリートや鉄骨は誰が製作して、建物を造り、営業できるような形に作っているのか、根底を支えているのはどの技術者なのか?その様な人たちが働くためのツールであったり、オシャレをするための洋服の布を作ったり、動物の皮を剥いでバッグや、靴にできる素材にする為に技術を駆使している人たちは誰なのか?と言うところを忘れすぎているのではないかと感じるのです。
 職業に上も下もありません。それでもオシャレな東京都内の何も仕事をしていない人たちが行き交う町を、作業着を着た人間が通行していれば、「おどき!」と言わんばかりに大きな顔をして、冷たいまなざしで通り過ぎて行くセレブ達は、自分が住んでいる家を誰が実際に作業してくれた人なのか?そこにはどの様な苦労があって成り立っているのかを気づかずに、自分の子供達をオシャレで、高度(これは誤解です。どの職業にも高度な技術職があって成り立っています)で、スマートな職業に就かせようとしているのです。コンピューターの事しか知らない人間に現場の鉄骨の組立方、コンクリートの練り方なんて分からないのです。ただ、「着ている服が汚れることは頭が悪い人のすること」「綺麗な服をまとってオフィス街で働くスーツ姿、私服で仕事ができる仕事は頭の良い人のする仕事」という勝手に作り上げられた固定観念に従って決めつけているだけなのです。
 私も建設現場に作業着で従事する人間です。一級建築士は生半可な勉強方法で取得出来る資格ではありません。でも、作業着を着てオシャレタウンを歩いていると、セレブ達に軽蔑の眼差しで見られて、道幅の狭い歩道を歩いているときなどは、綺麗な服装をして、サングラスを掛けたセレブのご婦人に体当たりをされる事が多々あります。
 一方、デザイナーズの建物をデザインする一級建築士は、スーツやジャケットを身にまとい、オシャレな格好をして、世間では「先生」と呼ばれています。もし、オシャレなセレブが町中で有名な建築家に出会ったなら、一目置いて尊敬の眼差しを向けることでしょう。でも、同じ一級建築士である事には変わらないのにです。
 その様な世間の風潮が、今の日本と、これからの日本を築き上げていく技術者や職人達を馬鹿にして、なり手を減らしている事に気がつくべきなのです。
 もう一度申し上げます。職業に上も下もありません。どの職業が欠けてもこの世の中は成立しません。布を作る人が居なくなったらどんなにお金を持っていて、美人で、気取っているセレブも裸で過ごさねばなりません。
 家を造る職人がこの世から居なくなれば、どんなセレブ達も古びた壊れかけの家で生活しなければなりませんし、何れは洞窟や、木下で生活する原始的な生活を送らねばなりません。
 再確認致します。今建設業界を含め、日本人がなりたがらない職業を諸外国の若者達に技術継承することで凌いで良いのですか?彼らは何れ祖国に帰ります。同じ日本国に住み続ける日本人に(民族ではありません。人種とかそんなことではありません)技術継承していかなければ、何れ全ての工業技術は、海外への外注になってしまいますよ!と警鐘を鳴らしたいのです。少しでも多くの方に読んで頂ければこの上ない幸せです。
 今回のコラムを終わります。ありがとうございました。


第三回目 2016年8月20日【昨今の地震活動について】
       2016年9月20日【追記】
【9月20日追記文】
 9月上旬以降これまで東方移動を続けて来た日本列島が関東、東海、近畿、四国、九州南部の太平洋沿岸部 及び 北海道中央部で一旦西移動に転じ、その後9月中旬には日本列島全体が南方向に引きずられるような動きに変わりました。日本列島全体が不穏な動きをしています。
 
東北地方は宮城県北部から岩手県を中心に、依然大きく南東方向に引張られるように移動をしています。
現在本州では群馬県、長野県当りを中心に時計回り、また、北海道方面では襟裳岬の南方沖150km、八戸の東方沖150km付近を中心に反時計回りに地面が回転移動しています。
西日本でも日本海側沿岸地域が東移動をしているにも関わらず、中央構造線(熊本地震の震源地域、四国北部、大阪、奈良、三重県北部、愛知県、静岡県北部、岐阜県付近)を境界として、太平洋沿岸地域が西移動しています。
つまり、中央構造線を境界に東西方向のせん断力がプレート全体に働き始めています。この境界線付近では小規模の地震が今後頻発すると考えられます。また、時間が遅くなれば遅くなるほど発生する地震の規模は大きくなっていくと考えられます。
また、太平洋沿岸地域が西移動に転じたと言う事は、太平洋プレートの沈み込みに、ユーラシア大陸プレートが引っかかりだしたと考えられるので、掛かりの甘い部分の小規模ズレによる小規模地震が発生する可能性があると思います。
下記の文章と合せてご覧頂き、ご注意頂ければと思います。


【8月20日】
皆様久々の更新ですみません。
 このところ九州地震以降日本列島各地で地震が増えています。
 特に関東近辺では東日本大震災の余震活動も伴い茨城県を中心にマグニチュード5前後の中規模地震が増加傾向にあります。
 まず、地震についてですが、マグニチュードは1増えると31.6倍のエネルギーを持った地震と言うことになります。つまり、今起きている茨城県を中心とする地震はマグニチュード5前後の地震が約32回発生しないとマグニチュード6分のエネルギーが解放されたことにはならないと言うことになります。更にマグニチュード7クラスのエネルギーを放出する為には約1000回のマグニチュード5クラス地震が発生しないと同じにはならないと言うことになります。
 つまり、茨城県付近で発生しているマグニチュード5前後の地震は、人間からすればそれなりに大きい地震なのですが、いわゆる震災クラスの地震のエネルギーを放出する地震としては小規模過ぎるのです。
 今、日本列島は東日本大震災以降、岩手県を中心として、全体的に南東方向に向かって移動(東大村井教授 JESEA MEGA地震予測の電子基準点測量によるデータ参照)を続けていますが、西日本、北海道と関東南部(伊豆半島南部、伊豆諸島北部、三浦半島、房総半島)は他の地域よりも南東方向移動が少ない状況です。つまり東北地方を弓なりに変形させる様な力が日本全体に働いていると考えられるのです。
 私はこの歪み(移動量の差)に危険を感じます。その東方向への移動量が急激に変化する部分が、本州中央部では福島県南部、茨城県、栃木県、埼玉県、群馬県、長野県北部〜中部、新潟県南部、岐阜県北部〜中部、富山県、石川県中部〜南部のラインで、本州北側では青森県の中部〜北部と北海道南端を通るラインで起きています。ここで言う中部とは南北方向の中央という意味で、地方名称とは異なります。
 この地域では今後しばらく岩盤のせん断破壊(新たな断層形成を含む、断層活動)が盛んに起こるものと考えられます。
 ただ、今起きている地震が、首都圏直下型地震(海洋プレート型)を誘発するかどうかに関しては、因果関係は低いと思われます。ただ、あまりにも加速度が早く、震幅の大きな断層型地震が発生した場合、プレートの摩擦力が負け、プレート型の大地震を誘発することは可能性としては考えられます。その逆もありますが・・・。
 岩のプレート全体が弾性変形(バネの力)によって揺れるのがプレート型地震、岩が曲がる力や横にスライドする量の差に抵抗できなくなって折れたり裂けたりする塑性変形(亀裂が大きく裂ける)のが断層型地震と考えるのが妥当だと思います。
 今はこの裂ける力による地震(九州熊本地震もそうですが)が発生しやすい時期にあると思われますので引き続きご注意ください。
 宮城県、岩手県の沖では太平洋プレートが、再び大陸プレート内部に潜り込んでいってますが、東日本大震災で大きく沈んだ大陸プレートの重量とその下のマントル(半液体状 又は ゼリー状と考えられる)がプレートの下に戻る速度が遅い(注射器に水を吸い込む時のような抵抗がある)ため、大陸プレートは太平洋プレートの力だけでは持ち上げきる事ができないので、大陸プレートと太平洋プレートの境界部で、大陸側プレートにちょうどロールケーキを丸める時のような力が働いている状態にあると考えられます。
 ですので、先端で岩のプレートの急激な湾曲が発生しているため、その先端部分で岩盤が折れる現象(地震)が小刻みに発生する状態が、今後数十年(東日本大震災の時に流動排出されたマントルが元の状態に戻るまで)続くと思われます。地震の規模はそこまで大きな物にならないと思いますが、地球の自然現象は予測が付きませんのでこちらも引き続きご注意ください。
 何はともあれ、日本は地震大国であることに変わりはありませんので、日頃からいつ地震が発生しても動揺しないだけの心構えと、サバイバル生活ができるぐらいの蓄え、備えはしておいた方が良いと思います。
 最後までお読み頂き、ありがとうございます。
 以上、第三回目のコラムでした。


第二回目 2014年12月16日【私の考える景気回復対策】

皆様こんにちは。
 一昨日安倍政権下で衆議院総選挙が行なわれ、歴史的な自民公明連立与党の大勝にて幕を閉じました。
 アベノミクスの3本の矢の内、1本目までは放たれた訳ですが、2本目の国家自らの10兆円規模の需要拡大、3本目の聖域無き構造改革(既得権団体:国家、行政、金融、農業、宗教等の国から優遇されている団体と思っていますが…))は一向に進んでいません。
 そもそも2本目の10兆円は一体どこに流れていくのでしょう?
 その為、我々民間人は、先の消費税増税、円安による輸入食品、衣服、我々の扱う建築資材も例外なく上昇が進みました。これによって販売業者が儲かっているのか?と言えば、それは違うと思います。
 なぜなら円安によって小売業者の仕入れ価格が上昇しているので、仕方なく値段を上げざるを得ない、逆に利益を削ってでも価格維持を強いられているとしか言えない物価上昇だからです。
 そうすると経営を更に圧迫された国内需要に依存する企業は、賃金の上昇どころか、業績不振によりボーナスも減らさざるを得ない状況が生まれるのです。
 そこで進行するのが、安い賃金で採用できる外国人労働者の需要拡大です。政府は有効求人倍率が上がった事を誇らしげに発表しています。が、これは安い賃金でも働く人員確保の求人が増えているだけで、現役世代の家庭を持っている高所得が必要な世代の労働人員が求められているのではありません。(アベノミクス雇用拡大のトリック)

 逆に海外に商品を輸出できるような大手企業の生産する工業製品等は、海外事業所で材料購入されている為、海外通貨で原料を仕入れている為、円安の影響は受けて居らず、仕入れ価格に変動はありません。
 日本円よりも国際的に強い通貨で購入された原材料を、海外工場で生産し、海外で販売しているため、円安が進んで90円/ドルが120円/ドルとなれば、会社の日本国内換算利益は33%も増加した事になります。
 ここにアベノミクスの最大のトリックが隠されているのです。
 日本国内需要に依存する会社(主に中小零細企業)では益々辛い状況に陥り、海外相手に商売できる会社(主に大手企業)では労せずして利益が増える。つまり圧倒的な市場を持っている大企業が儲かり、中小零細は無視されて行く。
 大企業の社員数は、中小企業の規模とは比較にならない程の多数の人が勤めています。
 この方々の「円市場」での月収、ボーナスが上がれば当然平均値はすぐに上昇します。
 でも良いでしょうか?ここであえて「円市場」と記入したところに大きな問題があるのです。
 ここ数ヶ月で円はその価値が3/4になったのです。国際市場で見たならば、日本人の給料は30万円の給料だった人が40万円に給与アップしなければ、国際的な目で見た給与水準は下がった事になるのです。
 アベノミクスのトリックはここにあります。大企業は日本国内企業と言えども、企業資産の内部留保(賃上げをせずに貯めてきた企業の資産)を円安の前にドルに換金させていたとします。(そのせいで円安が進んだのかも知れません)
 日本国内の労働者に支払われる通貨は円です。もうお分かりですよね。ここ数ヶ月で経団連に入っているような企業がどれだけ儲かったのかが、そして「賃上げ」という名の「実質賃下げ」が出来たのか。
 私も含めた庶民の皆さんがどれだけ愚弄され、馬鹿にされ、軽視されたのかがお分かりになるのではないでしょうか。
 これからは、海外に工場を構えていた会社は、日本国内に生産拠点を移動してくると思います。日本国内だけを見れば雇用の拡大で良い方向に働くかも知れません。でも、多くの生活用品、食品、その他の物品を輸入に頼っている日本では、益々物価が上昇し、円市場におけるわずかばかりな賃上げでは物価上昇に全く追いつかなくなり、我々庶民の生活は益々厳しいものになっていきます。

アベノミクスの公式発表している内容を以下に示します。

              公式発表している「三本の矢」  ※首相官邸HPより引用


経済成長で掲げているアベノミクスの発表内容

上の資料いかにも企業が儲かっており、賃上げも好調のように見えますよね。ではこれに物価上昇率、年金支払額減少、対国際基準を入れた場合どうなるのでしょうか?賃上げのパーセンテージは?
賃上げは消費税3%と国際的に見て日本国内の物価上昇が33%(90円/ドル→120円/ドルに変動した事による換算値))上げざるを得ない状況に追いついていますか?
「絶対に追いついている訳がない」というのが私の考えです。
今まで日給1万円で働いていた人の日給が1万4400円になっていれば「とんとん」と言う事なんです。
給与の上昇率が44%も上がってますか?
大手の牛丼チェーン「吉野家」が先日大幅値上げを発表しましたが、先に起きた大デフレで極限まで値下げをし、安い外国人学生アルバイト労働者を雇い入れ、限界に達している吉野家さん。それですらその価格上昇率は35.7%なんです。
牛肉の輸入価格は33%+3%の計算をした結果のやむを得ない値上げだったのでしょう。
吉野家は日本国内需要に依存する企業です。これは当然の結果なのです。
では、値上げした事によって客足は?私は確実に減るだろうと思います。
この様に、国内需要に依存する会社にとっては、今も尚厳しい状況は変わっていないどころか、より逆風が強くなりました。今、日本国内の企業が生き残っていく手段は海外需要型に方向転換する事が求められています。
海外需要を国内労働者でまかなう、つまり、海外事業所をつくって外資を得て、日本円で賃金を支払うシステム。これが起業家達に求められている事実です。若しくは地産地消で減少していく人口に対して細々と商売していく。これが今の日本の実態なのだろうと私は思います。
これからは、2極分離の時代がやってきます。地産地消で細々でも売上を上げられる昔ならではの地域密着型家族経営商売か海外相手の大企業に勤める業績完全反映主義の奴隷状態サラリーマン。その背後で法人税減税とサービス残業を合法化された大儲けをする大企業経営者(投資家)の2極化という事です。
極端で大胆な表現かも知れませんが、これがこれからの日本の姿なのだと私は考えます。
そして、収入の減った一般庶民達の怒りの矛先を、「中国・韓国・北朝鮮」に向けさせて、戦争を許容する国民を作り上げ、武器の生産、輸出、使用を促し、戦争国家へと変貌していきます。なぜなら武器の販売は非常に儲かる産業だからです。そして資産家達は、一部の使命感の強い一般庶民の命を糧に司令部から高みの見物で益々儲けていきます。
これが現実とならないように、常日頃から無関心を捨て、常に国家の動向を監視し、庶民が被害を受けないように我々庶民が立上がる時期が来たのでは無いでしょうか?
国家が意図的に馬鹿になるような娯楽を与えて、無関心状態にしたとしたら大変怖い事だとは思いませんか?
第2回はこのへんで…。


第一回目コラム【今の職人さん不足はどうして起きた?】

近頃世間では職人不足や、建設現場の監督を含めた技術者不足が騒がれています。
なぜこの様な事が起きてしまったのでしょうか?

発端は自民党政権の「構造改革」です。
その後も民主党政権下で「脱コンクリート」「コンクリートから人へ」等、いかにも建設業界は「汚い政治家との癒着業界であり、その様なところにお金を使うのは止めて、人と環境を取り戻しましょう」ともっともらしい言い訳の中、もっと大きな問題である「年金預入金喪失問題」を隠す為に、建設業界を悪者にし、クリーンなイメージを売るための政治的戦略により全国民がすり込まれてしまった事が原因です。
確かに、昔の建設業界の人間の中には有力政治家と手を組み、税金で創られた予算から多大な利益を得て、湯水の如くお金を使いまくっていた建設業者も居ました。

しかし、それはバブル時代に公共事業に参加できるような大きな建設会社の上層部の一部に限られた話しの事。
現在の建設業界は、バブル崩壊以降建設業界の工事単価は下落に下落を重ね、今ではバブル時代に大儲けして、規模が膨れ上がった成れ果ての建設会社や、不動産バブル時代に大量に発注していた不動産会社の極めて安い言い値で働いている職人さんが殆どとなりました。
彼らの実収入(経費を除く)は、本日ではコンビニエンスストアーのアルバイト並みの収入しかなくなりました。

この不景気時代を背景に、職人さん1日平均25,000円前後(40代後半〜60代の熟練工)が高いと仰る方が非常に増えました。
この金額は、果たして本当に高いのでしょうか?
個人事業主である職人さんの日当には以下の物が含まれています。
・1日の食事代(3食) ・家賃・月極駐車場の日割り額 ・光熱費
・家庭用自家用車の購入費、維持費の日割り額
(ここまでは誰でも当たり前の部分ですね。これ以外に)
・事業用の事務所の賃料(又は自宅の一室を事務所にする居住空間減少の負担)
・個人(法人)事業税、消費税の支払額
・組合費 ・健康保険 ・年金(サラリーマンは会社が半額負担)
・現場用作業車の維持費の日割り額
・現場までのガソリン代、高速代 ・現場での駐車場代
・事業用パソコン関連の購入費
・プロバイダー契約料
・消耗事務用品購入費
・プロ用工具類の購入、維持、修理代金の日割り額
・労災保険費
・工事損害保険費
等です。

さて、サラリーマンの皆さんは40歳の勤続20年の方で、1日いくらのお給料でしょうか?
平均月収を35万円とし、サラリーマンの月間出勤日は21日としますと、それだけで
「16,666円/日」となります。これにボーナス月の収入、年2回、平均2.3ヶ月分の支給があった場合、1回80万円程度のボーナスが支給されます。
これを6ヶ月で割ると約13.3万円、勤務日数で割ればボーナス分だけで約6,350円となりますよね。
ではサラリーマンの皆さんの勤務1日当りの収入は、23,015円となります。
これだけではありません。実はサラリーマンには会社負担分の厚生年金代金、退職金積立金、健康保険組合費等が計上されていません。また、別に会社の事務所を借りるテナント料、エアコンや照明器具類の光熱費、会社の福利厚生費、会社事務備品購入費、労災等社会保険料、会社運営費などの総務系の人件費も考えれば、その額は、会社の規模にもよりますが、およそ33,000円〜40,000円位は会社がお金を使っている事になります。

つまり職人さんは「自分で事業経営している社長」なのに収入は極めて少ないのです。

さて、それに加え「3K(危険、汚い、過酷)」が付いている職業に誰がなりたいと思うでしょうか?
もし、御主人、又は 息子さんが上に書いてある日当で退職金も無く働く職人さんだったら、「この収入なら老後も安心して暮らしていけるわね!」と思う事が出来るでしょうか?
子供や孫に、安心して高学歴にしてあげられる教育環境を整えてあげられると確信できますか?
だから、今の日本では「匠の技」を継承できない社会が出来上がったのです。
なので、職人さんがどんどん姿を消しているのです。

国の政策で、「外国人労働者を入れて補えばいい」とどこかの誰かさんが言っていますが、安い賃金で過酷な職業である「職人」へのなり手を少なくさせておいて、海外からの安い労働力を導入したら?日本人の匠と呼ばれる職人さんはどうなりますか?
間違いなく絶滅の一途を辿りますよね。

邪馬台国、平安時代から受継がれてきた日本建築の高い技術(世界でもトップクラス)は既に、危機を迎えています。
ハウスメーカーがあるから大丈夫ですか?いいえ違います。それを実際に造作する職人さんが居なくなってしまうのです。
それでなくても、伝統建築は、建設業界全体の単価が、生活も厳しいほどに下がってしまったため、既に継承が途切れようとしています

バブル崩壊後、日本建築は「如何に安い材料で、簡単に短い工期でできる技術力の要らない家」を創るかと言う事を、20年以上続けて来てしまったため、日本の匠の技術は、どんどん衰退してきています。
今の団塊世代職人さんは後継者が居ないため、「自分の世代で商売を辞めようと思っている」という方が多く、また、団塊世代の職人さん達が高齢化してきたので、廃業している方も増えてきました。
現在希少な若い職人さん達は、安価で簡略化された建築技術に対する知識と技術は持っています。しかし、伝統として受継がれてきた、本当の技術力があるかと言えば、中には継承された技術を受継いでいる人も居ますが、殆どが「昔話し」の世界で「今はそんな事をやらないです」という方が増えてきています。
つまり、その時点で伝統技術は途切れたと言う事になります。
資源が無い日本では、技術力でしか世界の大国に勝てないのに、その本当の戦力を失いつつあるのです。
今、匠の技術が「伝記」や「巻物」の様な書物を見なければ見る事ができない時代が確実にやってこようとしているのです。

これには「そうだ!」と思われる方も、「それが技術力の進歩なんだ!」と仰る方も、賛否両論あると思いますが…。

これで2020年の東京オリンピックを本当に成功できるのでしょうか?果たして、世界に恥じない芸術的な建造物(リニューアルにしても)で世界に誇れるオリンピックが開催できるのでしょうか?
西洋の建築物のような目新しい建築物はできるでしょう。しかし、「日本らしさ」って何でしょう?その昔、紙と木と土でできた建築物に西洋の人々はびっくりしたのです。
西洋の真似をした見た目がすっきりとしたガラス張りの外観とか、石張りの外観は日本らしさではなく”西洋らしさ”だからです。本当に心配です。

今こそ戦後の日本を支えてきた「世界最高の技術力」を見直し、伝統を受け継げるような職業訓練学校、「建設業界の職人技術=高い」という悪いイメージの払拭するべきではないでしょうか。

安いくて簡単なものばかりを求める世の中では、大手の牛丼チェーンや量販店のような安い技術しか残りません。高級割烹料理で味わう牛丼を頼んでおいて「高い!」と言いますか?
本当に「高い」のかどうか、見極める「目」を養う事も必要ではないでしょうか?